osteoporosis
骨粗しょう症

骨粗しょう症について
about osteoporosis

骨粗しょう症(こつそしょうしょう)は、骨の密度(骨密度)や質(骨質)が低下することにより、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。特に閉経後の女性に多く見られますが、加齢・栄養不足・運動不足・喫煙・過度な飲酒・薬剤の副作用(ステロイドなど)などが原因となり、若い人や男性でも発症することがあります。自覚症状がほとんどないため、背骨の圧迫骨折や脊椎の変形、身長の縮み、背中の丸まり(円背)などが起こって初めて気づくケースも少なくありません。
骨粗しょう症の予防と治療
骨粗しょう症の予防には、バランスの良い食事(カルシウム・ビタミンD・タンパク質の摂取)、適度な運動(ウォーキングや筋力トレーニング)、日光浴(ビタミンDの生成)など、健康的な生活習慣が大切です。
治療は、骨折予防効果のある薬剤を使用した薬物療法が中心となります。骨粗鬆症の状態に応じて、作用機序(骨吸収抑制剤・骨形成促進剤)や、投与方法(内服薬・注射薬)・投与頻度(毎日・週1回・月1回・半年に1回など)が異なる薬剤が選択されます。
このような症状・経歴のある方はご相談ください
- 転倒して背骨、脚の付け根(大腿骨近位部)、手首、腕(上腕骨など)を骨折したことがある
- 身長が縮んできたと感じる
- 背中の丸まり(円背)が気になる
- 慢性的な腰痛がある
- ご家族に背骨・大腿骨・手首・腕の骨折歴がある
- 健康診断で骨粗しょう症の指摘を受けた
- 骨粗しょう症が心配
骨粗しょう症と脆弱性骨折
骨粗しょう症が進行すると、軽い転倒や日常の動作でも骨折が起こるようになります。これを脆弱性骨折と呼びます。一度骨折すると、次の骨折のリスクが大きく上がり、骨折の連鎖(ドミノ骨折)が起こりやすくなります。
しかし、脆弱性骨折の既往がない骨粗鬆症患者の多くは無症状であり、評価や治療が行われないまま放置されていることが多いのが実情です。既に骨折を経験した方でも、治療を継続できていないケースが少なくありません。
骨粗しょう症と介護リスク
骨粗しょう症による骨折や転倒、関節の障害は、介護が必要になる主な原因の一つです。特に大腿骨骨折は寝たきりや合併症(肺炎・血栓など)につながり、生命に関わることもあります。骨粗しょう症の予防と治療は、健康寿命の延伸と、ご家族の介護負担軽減にも直結します。
当クリニックで施行できる骨粗しょう症の検査
- 骨密度測定(DEXA法)
- 微弱なX線(二重エネルギーX線吸収測定法)を使って、腰椎や大腿骨の骨密度を測定します。被ばく量はごくわずかで、安全に実施可能です。
- 採血検査(骨代謝マーカー)
- 骨は常に新陳代謝(骨吸収と骨形成)を繰り返しています。骨粗鬆症ではこのバランスが崩れるため、血液検査で骨代謝マーカー(例:TRACP-5b、P1NP、NTxなど)を測定し、骨の状態を把握します。
- 転倒リスク評価(リハビリテーション)
- 定期的な運動は骨密度を高めるだけでなく、転倒の予防にも効果があります。理学療法士による歩行・筋力・バランス機能の評価を行い、必要に応じて運動指導を行います。
骨粗しょう症の治療方法
- 薬物療法
- 骨密度を改善し、骨折を予防するための治療を行います。薬剤には以下のような種類があります。
- - 骨吸収抑制薬(ビスホスホネート製剤、デノスマブなど
- - 骨形成促進薬(テリパラチド、ロモソズマブなど)
- 運動療法
- 理学療法士がサルコペニア(加齢による筋肉減少)やロコモティブシンドローム(運動機能低下)の評価を行い、適切な運動療法を指導します。運動は転倒予防や骨密度の維持・向上にもつながります。
当クリニックにおける骨粗しょう症の治療方針
当クリニックでは、骨粗鬆症マネージャー(専門資格を持つ看護師など)を中心としたチーム医療により、患者さま一人ひとりに合わせた評価・治療・生活指導を行っています。
- - 骨密度測定・骨代謝マーカーによる状態把握
- - 転倒リスク評価と理学療法士による運動介入
- - 食事・栄養指導
- - 継続的な治療とサポート
ご心配なことがあれば、いつでもご相談ください。